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添付文書 【メラトベル顆粒小児用0.2%】16. 薬物動態

質問
【メラトベル顆粒小児用0.2%】
16. 薬物動態
回答
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与(健康成人)

メラトニン0.2mg 注1)を男性6例、1mgを男性6例、5mg 注1)を男性及び女性各6例に空腹時に単回経口投与したとき、血清中メラトニン濃度の薬物動態パラメータ及び濃度推移は表1及び図1のとおりである 9)


16.1.2 単回投与(幼児及び小児)
メラトニン0.04mg/kg 注1)を2~5歳の6例(投与量0.5~0.9mg/body 注1))及び6~15歳の6例(投与量0.8~3.3mg/body 注1))に単回経口投与したとき、血清中メラトニン濃度の薬物動態パラメータ及び濃度推移は表2及び図2のとおりである 10)
 



16.2 吸収
16.2.1 食事の影響

健康成人6例を対象とした国内臨床試験(単回投与試験)において、メラトニン1mgを空腹時又は食後に単回経口投与したとき、空腹時に比べ食後投与時のC maxは15.4%低下し、AUC 0-10hは18.7%増加し、t 1/2は11.9%増加した 9)。[7.3参照]

16.2.2 バイオアベイラビリティ
海外で行われた臨床研究の結果より、メラトニン経口投与時のバイオアベイラビリティは2.5~33%であった 11)~14)

16.3 分布
メラトニンの in vitroにおけるヒト血清蛋白結合率は、メラトニン0.0928~197ng/mLの濃度範囲で約53%であった 15)
メラトニンの静脈内投与から求めた分布容積は0.98~1.2L/kgであり 11),12)、血漿容積と比べて大きかった。

16.4 代謝
本剤は主としてCYP1A2により代謝される。その他、CYP1A1、CYP1B1及びCYP2C19が代謝に関与している 16)。[10参照]

16.5 排泄
主要代謝物である6-SMTは、腎臓から尿中排泄される。メラトニン0.2~5mg 注1)を健康成人に投与したとき、投与後24時間までの尿中排泄量の約90%が投与後10時間までに排泄された 9)

16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者

腎機能別に分けた4群(eGFR 注2):>80mL/分、60-80mL/分、30-60mL/分、<30mL/分)で内因性メラトニン濃度を比較した結果、eGFRの悪化に伴い、内因性メラトニン濃度の日内変動幅が小さくなるとの報告がある 17)。[9.2参照]

16.6.2 肝機能障害患者
肝硬変患者の内因性メラトニン濃度は肝硬変の進行に伴い上昇し、健康成人で10.6±1.7pg/mL、肝硬変患者(Child-Pugh分類 Grade A:31.2±9.8pg/mL、Grade B:49.8±12.2pg/mL、Grade C:94.8±22.6pg/mL)と最大で約10倍の差があったとの報告がある 18)
また、肝硬変患者にメラトニンを静脈内注射したとき、健康成人と比較して血清中メラトニンのt 1/2は2.1~2.2倍に延長したとの報告がある 19)。[9.3参照]

16.7 薬物相互作用
16.7.1 フルボキサミンマレイン酸塩

健康成人にメラトニン5mg 注1)の経口投与の3時間前にフルボキサミン50mgを投与したとき、メラトニンのC maxが1074±507%、AUCが1635±1023%に増加したとの報告がある。t 1/2は単独投与時で9.4±2.5時間、併用投与時で13.4±10.7時間であった 4)。[2.2、10.1参照]

16.7.2 カフェイン
健康成人にメラトニン6mg 注1)の経口投与の1時間前、1時間後及び3時間後にカフェイン200mgを経口投与したとき、メラトニンのC maxが137%、AUCが120%増加したとの報告がある 5)。[10.2参照]

16.7.3 喫煙
喫煙者を7日間禁煙させメラトニン25mg 注1)を経口投与したところ、禁煙前と比較し血清中濃度が約2.9倍と有意に上昇し、AUCも増加したとの報告がある 6)。[10.2参照]

注1)本剤の承認された用法及び用量は、1日通常1mg、最大4mgの単回経口投与である。
注2)Cockcroft-Gault式による

16.8 その他

記載なし

【文献】
4)Härtter S, et al. : Clin Pharmacol Ther. 2000; 67(1): 1-6
5)Härtter S, et al. : Br J Clin Pharmacol. 2003; 56(6): 679-82
6)Ursing C, et al. : Eur J Clin Pharmacol. 2005; 61(3): 197-201
9)社内資料:第Ⅰ相試験(2020年3月25日承認、申請資料概要5.3.3.1-1)
10)社内資料:臨床薬理試験(小児PK)(2020年3月25日承認、申請資料概要5.3.3.1-2)
11)Fourtillan JB, et al. : Biopharm Drug Dispos. 2000; 21(1): 15-22
12)Andersen LP, et al. : BMC Pharmacol Toxicol. 2016; 17: 8
13)DeMuro RL et al. : J Clin Pharmacol. 2000; 40(7): 781-4
14)Di WL, et al. : N Engl J Med. 1997; 336(14): 1028-9
15)Morin D, et al. : Pharmacology. 1997; 54(5): 271-5
16)Ma X, et al. : Drug Metab Dispos. 2005; 33(4): 489-94
17)Koch BC, et al. : Nephrol Dial Transplant. 2010; 25(2): 513-9
18)Chojnacki C, et al. : Pol Arch Med Wewn. 2012; 122(9): 392-6
19)Iguchi H, et al. : J Clin Endocrinol Metab. 1982; 54(5): 1025-7

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